今日を高木の日とする。

Twitterでは字数が足りないことを中心に、自分語りでもしようかなと思ってます。もし記事を読んで役者としての僕に興味を持っていただければ幸いです。

終演『廻盗インフェリチタ』

お疲れ様です!まだ寒い日々ですね!
高木亮です。

演劇企画ヱウレーカ『廻盗インフェリチタ』
全ステージが無事に終演しました!

そこでひとつ
長くなるかもしれませんが、ここはどうか、今回の公演について語らせていただきたく思います。
ご興味のある方、お付き合いください。
役者の高木として、現在思うことの全て、かもしれません。

twitterでもいくつか振り返りのツイートをしていますが、ここ何日間の僕は本当に幸せな役者であると自負します。
お芝居って、当たり前ですがその瞬間だけのものです。幕が上がって始まり、閉じると終わり。
そして、役は幕が上がって初めて命が宿るものだと、僕は思います。当然稽古の段階から僕の中に少しづつ育っていくように、花山院黒白はいました。でもまだお客様に見てもらっていない段階なので、あくまで僕の中のみ(また他の共演者や演出家の中のみ)の存在、みたいなものだったのです。

そんな役も、幕が上がり皆様に観ていただくことで皆様の中でも命として動き、僕の中にいた役は皆様の中でも命として存在することができると思うのです。
幕が閉じるまでは。

言葉にするのも少し怖いですが、幕が閉じ、観てくれた方がその内容をもし全部忘れてしまったりしたなら、その役は閉幕と同時に命を失い、また役は僕の中のみの存在に逆戻り、だと思います。
ええ、役者としてなんとも寂しくこわいことを言ってる気がします。

だけど、もしも、観てくれた方が覚えていてくれたなら。心の片隅にでも役の居場所をくれたなら、その役の命は永遠です。
僕にとって、それはなんとも嬉しいことです。役者冥利につきる、なんて言葉もあるくらい。目標にしていきたいと思います。

もちろん、ずっと覚えておいてくれなんてことをお願いするつもりはないんです。僕も、観たお芝居をずっと記憶なんてきっとできない。

だから少しでも長く
花山院黒白が皆様の中でいつものように飄々と、雲や風が動くように自由に生き、純粋な子供のような好奇心と、周りを困らせる軽口と共にあることを願っていました。

本当にありがたい話です。本編が終わってから何日か経っていても、『廻盗インフェリチタ』のお話を耳にします。twitterでも、人づてにでも。

僕が演じた男は、まだ観てくれた方の中にいるのだと、実感しました。

以上が、幸せな役者としての自覚を持つ理由です。
ただとにかく、楽しんでいただけたなら嬉しい。そして、物語の中の人物を少しでも長く覚えていてくださったなら、それに勝る報酬なんてありません。

それにしても、すっごい楽しかったな

以上が一人の役者として、舞台を見に来てくれた方への感謝です。一緒に作品を完成させてくれてありがとう。
皆様の中にいる、『廻盗インフェリチタ』の人物が、あなたの助けになりますように。

以下は、あまり伝えきれていなかった、作品を一緒に作った人達への感謝みたいなものを。ひとつの作品の区切りとして、お付き合いくださいね。

ただただ、ありがとう。ヱウレーカ

花山院黒白という役を僕にくれてありがとう。それに尽きる。
劇団として、あんまり深く素性をしらない男に大切な大切な役、それも主演を渡すのはほとんど賭けじゃないでしょうか。僕は演出家でも脚本家でもなければ、劇団を束ねる主宰でもないから詳しい気持ちはわかりませんが、誰かに自分の生み出した役を渡す、ということの重みはわかっているつもりです。

人一倍、物語の人物を大切にする劇団に貰えたこの役だからこそ、楽しかった。

共演者の方々へ、世話になりました。

同じ舞台に立ち、同じ世界に生きた共演者の方々へも感謝が尽きない、と思います。
僕の持論として、僕の中の信頼は、皆で手を繋いで円になってお互いを見ることではなく、皆で円になって背を向けあってお互いの背中を預けることだと考えています。

その感覚、本番期間中にずっと感じていました。背中を守ってくれてありがとう。って感じです。
皆をまとめて頼りになる主演、なんてものにでもなってやろうかとか考えてましたが、個性的すぎるこのメンバーでは無理でした。だったらいっそ、自由にやってみようと。
それが吉と出たかは今でもわかりませんが、とにかく楽しかった。
また必ず、ラーメンにも、お酒にも付き合ってくださいね。

さァ行こう華子クン!

今回のテーマは怪盗バディもの。今までの僕の役者活動では経験したことがなかった、相棒役がいました。
不幸怪盗である花山院黒白の助手、山田華子です。
めっちゃ助かったなぁ。なんか、ちっこい女の子がわちゃわちゃしながら着いてきたり叱ったり核心を突いたりしてるんです。
動いているものを見るのは楽しい。山田華子はいつも見ていて楽しかった。
花山院黒白という人物を形成する際、間違いなく大きな支点となりました。
バディ、ですから。相方にとっての僕も似たような存在であれたら、嬉しいことです。

また、必ずお会いしましょう皆様!

不幸は道標。幸せはきっとその先へ。
知りたい知りたい吸い込み止まぬ。
好奇心の塊のような男、花山院の目から見た世界、帝都は輝いていました。
不幸も幸せも、好奇心のレンズを通して見れば尊い

これから私達の身に降りかかるどんなことも、そんな好奇心と共に愛していけたらと思います。

ただ無理はなさらぬよう。自分一人じゃどう頑張ってもどうもならない時も必ずあります。

でも大丈夫。そんな時はまた必ずや不幸怪盗が……
この先は、言うまでもないようですね。

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